座礁したハナゴンドウの保護、治療について

1998年 第24回 海獣技術者研究会

展示課 加藤治彦、進藤順治、野村卓之、大和 淳、平野訓子、○田村広野

 

1998年10月6日、新潟県村上市の三面川河口南側の海岸に、1頭のハナゴンドウ(雌、体長269cm)が、生きた状態で打ち上がった。この個体は、村上市から北に位置する山北町脇川周辺で、9月27日以来、数日にわたって陸上から視認 されていて、痩削が著しいため、当館で保護を試みた個体であることが体表の模様から判明した。
ハナゴンドウは、座礁時、瀕死の状態であったため、応急処置(補液、副腎皮質ホルモン剤、抗菌剤等の投与)を施した後、 当館に輸送した。担架に乗せ水中での姿勢を保持し、24時間体制で監視、治療にあたった。身体検査、血液検査と胃 内視鏡検査を定期的に行い、補液、抗菌剤、強肝剤、総合ビタミン剤等を投与し、強制給餌でイカを与えた。
10月10日、胃出血と肺炎が診断されたため、胃粘膜保護剤、呼吸促進剤と気管支拡張剤を投与し、餌料を消化酵素 剤を混ぜた流動食に変更した。10月12日からは、長期の吊起による体表のスレや床ずれが顕著になってきたため、1時間半程、介助により遊泳させた。10月14日、肺炎による呼吸不全で死亡した。生存期間は、保護より9日間であった。


治療の様子

漂着時