自作アイカップ作製について

1993年 第19回 動物園水族館海獣飼育技術者研究会

展示課 鈴木倫明 小川忠雄 鶴巻博之 ○田原正義

プロトタイプアイカップ作製方法と材料:市販されているゴム製の吸盤をオス型とし、 石膏によるメス型をつくりシリコン(KE-1092㈱信越化学工業)を流し込んで作製した。 このプロトタイプは、ほとんどの個体に装着可能だったが、1頭だけ目の周囲の起伏が微妙に影響して装着できなかった。 オス型となる吸盤を既製品に求めたのでは、吸盤の大きさ形状などの選択肢に制約があり、 オス型自体の作製の必要性が生じた。また、メス型の素材の石膏も、くり返し使用するには脆弱すぎることが分かった。 これらの問題点を考慮し、改良型アイカップを作製することにした。
改良型アイカップ作製方法と材料:軟質樹脂性の彫刻材(クリアートN0235-654㈱新日本造形)を加工してオス型をつくり、 シリコン(KE-1092)による型どりでメス型を作製した。メス型にR-6離型剤(国際ケミカル株式会社)を塗布し、 シリコンの強度・粘度・柔軟性などを考慮し、特性の異なるタイプのシリコン(KE-1402(㈱信越化学工業)と 併用触媒(CAT-1402㈱信越化学工業)を重量比10:1の割合で混ぜたものをメス型に流し込んで作製した結果、 若干の改良は必要なものの充分実用に耐えうるアイカップができた。

上部へ