イルカの健康管理

マリンピア日本海では、イルカを健康に飼育するため、さまざまな健康チェックを定期的におこなっています。
そこで問題が発見された場合は、より詳細な検査や治療など、適切な処置をおこないます。
大型の哺乳動物であるイルカが、急に暴れるとイルカ自身や周囲のスタッフを傷つけてしまう危険性があります。
そのため、健康チェックや処置に必要な特定の姿勢を維持するトレーニングを毎日おこなっています。


体温測定
(毎日 朝夕2回)
肛門にひも状の体温計を入れて測定します。測る深さは約30cmで、発熱がないか確認します。体温はヒトと同じ36~37℃です。


目のチェック
(毎日 朝夕2回)
目の傷や白濁の有無、まばたきなどの反応を確認します。必要があれば目薬をさします。


体表のチェック
(毎日 朝夕2回)
アカの量や傷・腫れ・熱感の有無などを目視だけでなく手でふれて確認します。症状によっては毎日状態を撮影し、経過を観察することもあります。


口内のチェック
(毎日 朝夕2回)
歯や歯ぐき・のど・舌などの状態を確認します。また、歯肉炎などの予防のため、歯ブラシで歯ぐきのブラッシングとマッサージをおこないます。


体重測定
(週1回)
毎週月曜日に体重測定をおこなっています。個体ごとの適正な体重が維持されているか確認します。また、エサの量を決める参考にします。


呼気検査
(週1回、必要に応じて)
吐いた息の飛沫を検査することで、気道や肺の細菌感染や疾患などを知ることができます。


尿検査
(月1回、必要に応じて)
腎臓や尿路系の状態を知ることができます。また尿中のホルモン量を調べることで性周期を知ることができます。


胃液検査
(春秋の年2回、必要に応じて)
胃の状態(消化不良や出血の有無など)を知ることができます。


血液検査
(春秋の年2回、必要に応じて)
定期検査だけでなく、体調不良が疑われる時など、必要に応じておこないます。検査により体の状態を詳しく知ることができます。尾びれの血管から採血します。


便検査
(春秋の年2回、必要に応じて)
消化器系の状態(消化不良の有無や腸内細菌のバランスなど)を知ることができます。またホルモン量を調べることもあります。


エコー検査
(必要に応じて)
内臓や生殖腺(オスの精巣やメスの卵巣)の状態を検査します。


胃内視鏡検査
(必要に応じて)
消化器系の病気の早期発見や誤飲した異物の除去に役立ちます。


レントゲン検査
(必要に応じて)
おもに歯の組織(歯や骨など)を検査し、抜歯や投薬などの治療方法の検討に役立てます。
上部へ