新潟市 水族館 マリンピア日本海
 
 
調査・研究
研究会発表 抄録集

2006年 第32回海獣技術者研究会
      飼育下雄のカマイルカの体温変化と発情期との関係
  展示課   ○新田 誠、加藤治彦、進藤順治

 新潟市水族館では、鯨目の健康管理の一環として肛門から約30pの結腸温(以下深部)の測定を実施している。深部を測定する理由は、肛門に近づくほど環境に影響され易く、測定値が低値となることが雌のバンドウイルカで確認されたためである。  
 同環境で飼育している雄のカマイルカ(体長220p,体重120s)で、肛門から約15pの結腸温(以下浅部)が、深部の体温より高値になる時期が見られたため、深部と浅部の体温測定を開始した。
 測定期間は、2005年7月18日から2006年8月20日までの約1年間とし、毎朝、安静時の体温を測定した。 11月中旬から翌年の5月中旬までは深部が高く、浅部が低い値を示すが(AVE.±S.D.、深部36.2±0.33℃、浅部35.9±0.35℃)、開始直後から11月上旬までと翌年の5月下旬以降では、深部が低く、浅部が高い値を示した(深部36.3±0.26℃、浅部36.7±0.32℃)。 体温変化を血液中テストステロン値および尿沈渣精子数と比較した結果、深部が低値となる11月上旬まで尿沈渣精子の出現が見られ、再び低値となる5月下旬に血液中テストステロン値の444ng/dlへの急激な増加が見られた。
 血液中テストステロン値の増加時期および尿沈渣精子の出現時期を雄のカマイルカの発情期とすると(新田他,2005)、深部が浅部の体温より低値になる時期と発情期が一致した。  鯨目は、血流を利用して精巣を冷却することが報告されており(Williams他,2002)、発情期に精巣の冷却機能が働いていることが示唆された。

 
 勃起

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